昭和24年に国鉄が誕生した3年後、昭和26年には機関車乗務員を中心とした、機関車労組を国労から分裂する形で誕生しました。
そこに至るまでの経緯を、弊サイト国鉄があった時代から引用してみたいと思います。
昭和25年
国鉄労組機関車協議会は、国鉄労組を離れて新たに機関区従業員の職能組合結成決議する 11/16
昭和26年
機関車協議会は当局に職能別交渉単位設置を申請 1/17
国鉄労組中闘は機関車協議会の再建を指令 1/21
国労中闘、機関車協議会解散宣言を発表 1/22
国鉄労組中央委員会 1/25~27
国鉄労組第12回中央委員会が、伊豆長岡で開催され、委員長以下三役を新たに決定、これ以外に登別大会決定の闘争方針 (全面講和・永世中立・戦争反対)を堅持し再軍備に反対してたたかうこと、機関車協議会(後の機労)独立の問題等が諭議され組織検討委員会を設置することなどを決定。新組織による最初の役員改選、委員長-斎藤鉄郎、副委員長-星加要、書記長-加藤閲男、中央執行委員-全国区12名、地方区-10名、中央闘争委員10名
以下は日付は不明ですが、以下のような記事もありました。当時の 国労では、機関車協議会の独立問題を含めて、国鉄当局に対しても、 独立した高所単位を求めるなどの動きがありました。結果的には、機関車乗務員でも特に、貨物輸送に従事する職員が多く移行したものの、電車運転士などは国労に残ったものも多かったと言われています。
国労分裂の危機 1/
機関車協譲会の独立問題をめぐっては、諭議がつづけられていたが、1月末から開催された、国労中央委員会開催の前後から分裂の動きは活発化し、労組に対して独立の要求をだした他、国鉄当局に対しても交渉単位承認の申請を提出、さらには地方区において、本部指令による、国労からの大量脱退。新組合結成などの動きが始まり、国鉄労組は職能別に完全に分解、独立する危機に直面している。
国鉄労組中央闘争委員会と機関車協議会は機関車交渉単位を設けることに合意 2/22
国鉄労組中央闘争委員会と機関車協議会は機関車交渉単位を設けることに合意するも破談 2/26
国鉄労組組の分裂回避、妥協案まとまる 2/29
労組出身の国会議員団の活躍により、分裂回避の妥協案ができあがる
2月29日に示された、労組分裂回避の妥協案に対し、招集された機関車労組結成準備大会もこれを承認方向となった 3/1
国鉄労組内で、職能別分化運動が急に表面化し、機関車職協と国鉄労組本部の交渉は決裂し、円満打解ののぞみは消えることに
当局としても、機関車部門の分裂による職能組合の結成が、今後の労働運動にプラスになるかマイナスになるか注目している
国鉄労組の機関車協議会再建、単一堅持を決定 4/10
国労全国機関車代表者会議開催、国労の枠内で機関車協議会発足 4/15
国鉄機関車労組結成 5/23
京都市で国鉄機関車労組結成大会開催(後の動労)、職能別組合として発足、国鉄労組と機関車労組(後の動労)の二組合が並立することとなる
機関車労組結成大会、京都で開催 5/25
昭和27年
組合、交渉単位設立の間題で紛糾 1/
国労から分離した機関車労組であるが、交渉単位設立後のこととて、その間題解決をみないまま、国鉄労組と機関車労組の対立は激しさを増しており、国鉄当局から示された解決案を受け入れず、1月末の期限までに協議が成立せず、2月25日の期限を前にして、労働省の裁定によらざるを得ない状態におちいっている
第2回国鉄機関車労組大会 国労との合同見送りと決定 5/13~5/15
金沢で開催され、本部提案の昭和27年度団体交渉、同闘争方針等の重大問題を審議。国鉄労組との統一問題に関しては、機労組側の態度は強硬で、統一問題は拒否となった。団体交渉についても、交渉委員会の設置。構成。意思決定等についての職能別的主張をそのまま承継するなど、国労との対立をあえて明らかにした。こうした態度に国労も反発、国労側交渉委員は機労側委員の欠席のまま委員会の構成を主張してその運営方針を決定し。交渉委員会の成立を当局に通告した
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国鉄労組から脱退する形で、誕生した動労ですが、こうして時系列で見てみますと、国労は分裂を避けようとして運動するものの結局は、分裂する動きを止めることは出来ず、昭和26年5月23日には職能別組合として発足することとなり、組織内分裂は決定的となったことが窺えます。
この背景には、戦前にあった、機関車乗務員の優遇(判任官・1942年1月の改正で鉄道官補に変更)に相当する差別賃金の獲得を目指したものと言われています。
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